一番やばいのはチュートリアル
少しずつ話題になり始めたoculus quest。私も届いてから色々と遊んでいて、そのゲームの面白さにはもちろん感動したが、もっとも衝撃を受けたのは”チュートリアル”だ。
360度動画やゲーム自体は新しいものではなく、数年前から騒がれており、むしろ一時期に比べて今は下火だと言っても良いぐらいだ。動画だけで言えば、questでなくてoculus goの方が、3万円だし動画だけでいいというなら、GearVRやハコスコでも十分という人はいるだろう。
ただ、oculus questは、そのムードを一気に変える可能性がある。そのポイントも誰もが言っていることと同じ、下記の3点だが、
1.価格が手頃
2.配線がない
3.映像クオリティが高い
上記3点に異論はないが、あまり語られていないが、本当にやばいのは、チュートリアルだ。
チュートリアルはVR世界への入り口
はっきり言って、今の所上がっている動画はそんなにすごくないし、ゲームにしても、PSVRやgo、ハコスコなどで体験済みの人もいるだろう。ただ、oculus questがやばいのはチュートリアルだ。このチュートリアルがまじでやばい。半信半疑のゲーム素人にも体験してもらったが、お世辞抜きに遊んでいた。チュートリアルのヤバさも含めて改めて、oculus questのヤバさを3点にまとめてみよう。
1.ガーディアン 自分の今いる所がVR世界の一部になる
このガーディアンというのは、ゲーム内での可動域を決める。障害物が無いエリアを指定することで、その空間の中を自由に動ける。推奨エリア2mというのは、日本の住宅で確保するのは意外と難しいがこれを確保することで、VR内への没入感が変わる。また、ガーディアンから出たら、現実の世界に切り替わるから、障害物などがあっても比較的安心である。広ければ広いほど、没入考えられる。
2.両手が使える VR世界のものを掴むことができる
PSVRにもあるのか知らないが、oculus questのコントローラーは右手と左手で別れている。だから、ゲーム内にある手が本物の手のように動く。下の動画ではわかりにくいと思うが、スターウォーズのダースベイダーゲーム『Vader Immortal』の1シーンだ。パイプを登るのは、はしごを登るように片手ずつ伸ばして握っている。だから、はじめてパイプが外れたときは結構焦った(ネタバレごめん。)。両手で持つコントローラーではなく、片手で持つコントローラーで、あたかもゲームの中のものを掴んでいるような感覚はまじですごい。
3.やっぱり、配線がない
画質のクオリティを担保するためなのかどうかはおいておいて、やっぱり配線がないというのは最高だ。ガーディアンで守られ、ゲーム内のものが手で掴め、ゲームの中に入っていることに違和感がなくなったときに、引っ張られたり、ないはずのものに触れられたりすると絶対的に気が散る。
そして、スタンドアローンの1番の魅力は、爆笑動画として上げられているけど、野外プレイができること。これは、馬鹿にされるのもわかるが、考えてみてほしい。周りの目がなければ、あなただって絶対広いところでやりたくなるはず!今後様々なソフトが出てきたら、野外プレイ用(推奨距離10mみたいな)ソフトというのがあってもおかしくないと思う。実際のバスケットコートをガーディアンで設定すれば、NBAプレイヤーたちとプレイだってできちゃう。
ゲームが現実世界との解像度を調整する
ゲームの話ばかりになってきたが、タイトル通りoculus questの一番のすごさは、ゲームと現実世界の間をなくすことだ。上に上げた3点によって、多少解像度は荒くても、はじめて5分もすればそれは気にならなくなる。そして、ゲームをプレイするうちに、どんどんVR内での動きに慣れていく。そうなったら、次に体験してほしいのが動画だ。
今の所動画では、ゲームのように何かを掴んだり、移動したりすることはできないが、確実にVR空間と現実の関係性が近づいている。これまでただ、視聴者としてVR世界を見ていたときと違って、確実にVR世界への耐性ができている。この感覚になってしまったらもうやばい。
oculus quest体験済みと未経験で世界は分かれる
ドラマとしては、なんにも面白くないが、oculus quest体験後(VRに入り込んだ実感を持つ)に、下記をVRでみるともう、自分がドラマの中に入ったように感じると思う。こうなってくると、もうワクワクが止まらない。oculus questには、あのNetflixがすでに入っている。彼らが、このチャンスを逃すわけがない。一発面白い作品を撮ってしまえば決着がつくだろう。
360度youtuberの時代がくる
上にも上げたとおり、お世辞にも今の所、360度動画で面白いものはない。それ以上に数が圧倒的に少ない。今後oculus含め、VRが日常に普及していくに従って、どんどん動画が増えていくはずだが、今はまったくないと言っても過言ではない。youtuberとして動画を大量に作れるチャンスを今をおいて他にないだろう。
さらに、これまでyoutuberになりたいけれどとためらってしまう一番の理由、”顔バレ”がない。撮っている本人が中心にいるのだから、自分の存在は映らない。おもしろい動画が撮れるのか?という問題もあるが、Googleの提供しているWonderという、GoogleMapの世界に入れるアプリはあるが、当然静止画だし、車で入れないところには殆ど入っていない。最初のうちはこれをカバーしてしまっても問題ないだろう。ここらへんはほんとにもう早いものがち。
ということで私はこれから、360度youtuberになるべく、お出かけの際はThetaを持ち歩こうと思う。
360度動画の黎明期は全てがドラマになる
逆に何かを取りたい場合でも、例えば、女子高生の井戸端会議なんかでも十分コンテンツになり得る。5人グループで円になって、その一人の位置にThetaがあれば、見てる人は中にはいったと勘違いすること請け合いだ。
そのようにして、これから、爆速で360度youtuberが誕生してくると思う。ただ、その可能性に気づいているのは、oculus questを体験済みかそうでないかに明確に分かれる。まだまだ野暮ったい端末ではあるが、GoogleGrassが新しくなり、AR端末も徐々に出てきた今、VRが火を吹くのは、火を見るよりも明らかである、あとは、やるかやらないか、しかない。